ジョージ・ワシントン大 独自の"ゴースト・スタッツ"とは?

Jan. 19, 2018

 "ゴースト・スタッツ(Ghost Stats)"とは何かーーー。

 ジョージ・ワシントン大は昨季から公式記録に残らない6つのカテゴリーを独自にカウントし、集計してきた。オフィシャルのスタッツシートには記載されないが、チームが勝利に近づくために間違いないく重要なプレイ。ハッスルからもたらされるその6項目こそが、"ゴースト・スタッツ"である。

 「Deflection(ディフェンスがボールに触り、ドリブルやパスをそらせる行為)」
 「Attempt drawing a charge(身体を張ってオフェンシブ・ファウルを狙う試み)」
 「50/50 balls(ルースボール、ティップボール、オフェンシブ・リバウンド獲得数)」
 「Fouls drawn offensively & defensively(攻守両面でファウルを誘発するプレイ)」
 「Assist opportnity(得点に繋がらずとも味方のシュートをアシスト)」
 「Screen assist(得点やフリースローに繋がるスクリーン)」

 

 

 上記の6つを集計し、勝利ゲームでポイントが最も多かった選手にはWWEスタイルの王者ベルトが贈られる。 いわゆる"汚れ役""縁の下の力持ち"を讃えるタイトルとでも呼ぶべきか。

 「ボックススコアには残らずとも、チームのために必要なことをやる選手を評価したかった。たいていの人は、ディフレクション、50/50ボールの奪い合い、スクリーン・アシストなどが勝利に繋がるとは気づかない。これらが重要だと理解するだけでなく、それをこなすことに誇りを持って欲しかったんだ」

 "ゴースト・スタッツ"とベルトの考案者でもあるジョージ・ワシントン大のモーリス・ジョセフHCはそう説明する。実際にここまでのGWの戦いぶりを振り返れば、コーチの指導が効果を発揮していることがすぐに見えてくるはずだ。

 今季のGWはロースター入りしている全15人のうち9人が1、2年生という若いチーム。しかも身長6-9以上のビッグマンは不在というサイズ不足を抱えながら、経験で勝るチームを相手に奮闘を続けてきた。

 ハッスルプレーでオフェンシブ・リバウンドを奪い、全員一丸となって必要な得点を挙げ、運動量を生かしたディフェンスで相手を封じるのが得意パターン。平均68.7失点はA10カンファレンス内で6位と堅守を誇っているのは、公式スタッツに刻まれない類の貢献をそれぞれが続けているからに他ならない。

 「数字に残らないところでどれだけ頑張りを見せられるかが大事。一番基本的で簡単な部分ではあるんですけど、それができない選手というのは凄い多いですよね。そこを気にしているのは、今のチームの良い部分だと思います。"ゴースト・スタッツ"のベルトをもらう選手もそれを誇りに感じている。スタッツに表れないところをしっかりできるチームが勝つべきチームなので、凄く良い心がけだなと思います」

 4年生のチームリーダー、渡邊雄太もこの"ゴースト・スタッツ"のアイデアは気に入っている様子だった。「日本式なように感じます」とも述べる通り、その心はチームワークを重視する日本バスケットボールに通じるものがある。だとすれば、日本でこのスポーツを始めた背番号12が、今季のチーム内でもトップクラスの"ゴースト・スタッツ"を稼いできたのは当然と言えるのかもしれない。

 渡邊はプリンストン大、ニューハンプシャー大戦で優れたハッスルスタッツを残し、ベルトを2度獲得。シーズン通算でも合計247の"ゴースト・スタッツ"をマークし、トップのテリー・ノーラン Jr.に19ポイント差でチーム内2位である。

 「見えないところでの活躍は、中心選手の一人として絶対にやらなければいけないこと。それは小学生、中学生の頃は親に、高校のときは(尽誠学園の)色磨(拓也)先生にずっと言われ続けていたことでもありました。(ポイント上位は)これまで教えてもらったことが生きているということなので、それは誇りに思います」

 普段は謙虚な姿勢を保ち続ける渡邊も、この"ゴースト・スタッツ"の数字が良いことに関しては喜びを隠さない。平均得点、リバウンドでもチーム1位のエースが、ハッスルプレーの数値でも上位にいることはチームにとって大きな意味がある。

 1月13日のリッチモンド大戦まで4連敗と苦しんだGWだったが、1月17日にはホームでジョージ・メイソン大に快勝して息を吹き返した。ハイレベルのアトランティック10カンファレンスで、今後も負けられないゲームが続く。そんな熾烈な戦いの中でも、選手たちの身体を張ったプレイがより重要になってくることは間違いない。

 今後にチーム全体の"ゴースト・スタッツ"の伸び率がさらに上がり、渡邊も首位に迫っていくようなことがあれば・・・・・・・。そのときには、GWの近未来もますます楽しみになっていくはずである。

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