タイラー・キャバナーから渡邊雄太へ

NBAで活躍するGWの元チームメート
Dec. 19, 2017

アトランティック10というミッドメイジャーのカンファレンスに属するカレッジながら、ジョージ・ワシントン大は過去2年連続でNBAプレーヤーを生み出してきた。一昨年までGWの攻守の要として活躍したパトリシオ・ガリーノが、昨季はオーランド・マジックの一員として5戦に出場。さらに去年までGWのエーススコアラーだったタイラー・キャバナーも、今季開幕直後にアトランタ・ホークスと2ウェイ契約を結んだ。

 こうして元チームメートたちが大舞台に到達している事実は、後に続く者たちをも勇気付けているはずである。

 「ずっと一緒に練習していたチームメートがバスケットボールの最高峰でプレーしているのを見ると、自分自身も近づいていると感じられます。徐々にですが、(NBAに)近づいているのが実感できますね」

 

 

 開幕前、ガリーノ、キャバナーについて聞くと、近未来のプロ入りが期待される渡邊雄太もやはり目を輝かせていた。特に昨季まで苦楽を共にしたキャバナーとは親しく、今でもテキストメッセージを交換し合う間柄。能力、キャラクターを熟知した盟友の活躍は、渡邊にとって励みになるとともに、自分の力を測る尺度にもなるのだろう。

 基本に忠実なGW仕込みのバスケットボールはNBA でも通用している。ホークスでも徐々に頭角を現し始めたキャバナーは、12月に入って最初の4戦はすべて20分以上をプレイ。12月6、9日のマジック戦では2戦連続で二桁得点を挙げるなど、NBAでも貢献の術を見つけている。スピード、バネを感じさせるタイプではないが、シュート力とクレバーなプレースタイルはチームメートにも好評だ。

 「ハードワーカーだし、信頼できる選手。ゲームを理解しているし、バスケットボールIQが高い。ジャンプ力が抜群ではなくとも、身体の強さがあるし、プレーを読むのがうまい。だからこそ結果が出せるんだろう」  ホークスの先発PGデニス・シュルーダーに尋ねても、キャバナーの予想外の貢献に目を細めていた。2ウェイ契約は1シーズンに45日間だけNBAでロースター登録が許される新システム。ここまでの働きが認められ、ホークスは12月19日にキャバナーと2年間の正式契約を結んだというニュースも届いてきた。

 「(キャバナーは)とても賢明なプレイヤーでした。練習も熱心でしたね。身体能力がそれほど高くないというのを除けば、欠点が見えてこない。本当に素晴らしい選手だと思っています。リーダーシップも凄かったので、僕も見習わないといけません」

 渡邊のそんな言葉を聞く限り、キャバナーがNBAで力を出していることは彼にとっては驚きではなかったようだ。11月11日にワシントンDCで行われたホークス対ウィザーズ戦は渡邊も同僚たちと観戦に行ったという。大アリーナで躍動する元チームメートを見て、NBAがこれまで以上に身近に感じられたのではないか。

 一方、キャバナーの方も、ジョージ・ワシントン大のプレーが気になって仕方がない様子だった。NBA の厳しいスケジュールの合間にGWのゲームもチェックしているようで、選手たちの状態にも詳しい。序盤戦のGWは5勝6敗とまだ波に乗れているとは言えないが、キャバナーはそれでも伸びしろは残っているはずだと語る。

 「去年のチームには7〜8人の新加入選手がいて、今年も9人。昨季は3月に波に乗り、6連勝でシーズンを終えました。今年のチームも若い選手たちが伸びていければ、良いチームになると思います。PGのジャイア・ボールデンは成長を続けるはずだし、パトリック・スティーブスも健康を保ち、チームを助けなければいけません。アルナルド・トロのインサイドでの働きも大切になってきますね。そして、このチーム内でユウタが極めて重要な存在であることは言うまでもありません」

 渡邊をはじめとする後輩たちの話をする際、キャバナーの表情がより明るくなったように感じたのは気のせいではなかったはずだ。カレッジで育んだ絆が途切れることはない。そして、このキャバナーの後に渡邊が続くために、まずは4年生の今季に優れた実績を残すのが最善の道に違いない。

 「次はユウタの番だと思っています」———。そんな先輩の期待に渡邊は応えられるかどうか。少々気の早い話だが、キャバナー、渡邊がともに着実に成長すれば、近い将来、NBAの舞台で2人が再会することだってあり得ない話ではないのだろう。

@GW_MBB

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